今月(2021年11月)のトピックス&お役立ちリンク先

今月のトピックス 

 

[1]新型コロナウイルスにかかるワクチン休暇

新型コロナウイルスのワクチン接種の対象が65歳未満の一般市民にも広がっていますが、従業員がワクチン接種を行う際、接種日が勤務日と重なったり、発熱などの副反応により就労が困難になる事態が想定されます。そうした際に備えて、従業員が特別休暇を使うことができる仕組みを導入する企業が増えています。こうした制度の導入は任意ですが、従業員が安心してワクチン接種をできる環境を整えておくとよいでしょう。

■参考リンク

厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

 [2]雇用保険の継続給付にかかる添付書類の省略

従来、雇用保険の育児休業給付金や高年齢雇用継続給付金などの申請を行う際、本人確認や振込先の口座情報の確認を行うため、運転免許証や通帳の写し等を添付していました。これが8月1日以降、あらかじめマイナンバーを届け出ている場合は運転免許証が不要になり、通帳の写し等についても原則添付が不要(※電子申請の場合)となります。

■参考リンク

厚生労働省「雇用継続給付等の申請を行う事業主等の皆さまへ」

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000783316.pdf

厚生労働省「高年齢雇用継続給付金の申請を行う事業主等の皆さまへ」

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000783315.pdf

 [3]健康保険の被扶養者の認定基準の明確化

厚生労働省より健康保険の被扶養者の認定基準に関する通達が発出され、夫婦ともに社会保険の被保険者である場合、年間収入の差が1割を超えていれば年間収入の多いほうの被扶養者とし、1割以内であれば、届出により主として生計を維持するほうの被扶養者とするなどの取扱いが明確化されました。この取扱基準は8月1日から適用されることになっており、今後、保険者から年間収入の照会が行われる可能性があります。

■参考リンク

法令等データベースサービス「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210512S0010.pdf

【厚労省のホームページで企業名公表される労働基準法等の違反事例】

過労死等ゼロを目指す取組みの強化の一つとして、労働基準関係法令違反に係る公表事案が厚生労働省および都道府県労働局のホームページに一定期間掲載されることになっています。そこで今回の特集では、公表される事案の基準と労働基準法・最低賃金法違反の公表事案をとり上げます。

【1】公表事案となる基準

ホームページに掲載される事案は、労働基準関係法令違反の疑いで送検、公表された事案(送検事案)や、厚生労働省が企業名を公表するとして示された通達に基づき、都道府県労働局長が企業の経営トップに対し指導し、その旨が公表された事案(局長指導事案)です。

掲載期間は公表日から概ね1年間で、公表日から1年が経過し、最初に到来する月末にホームページから削除されます。また、公表日から概ね1年以内であっても、送検事案は、ホームページに掲載を続ける必要性がなくなったと認められる場合、局長指導事案は、是正および改善が確認された場合に速やかにホームページから削除されることになっています。

【2】労働基準法・最低賃金法違反の公表事案

2020年8月1日から2021年7月31日までに公表されたもので、労働基準法・最低賃金法違反に係る事案としては以下のようなものがあります。

[最低賃金法第4条違反]

労働者9名に対し5ヶ月間、地域別の最低賃金以上の賃金を支払わなかった

[労働基準法第15条違反]

労働者2名に、労働契約の締結の際に労働条件を、書面を交付する等により明示しなかった

[労働基準法第32条違反]

労働者1名に、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせた

[労働基準法第36条違反]

外国人技能実習生5人に1ヶ月100時間を超える違法な時間外・休日労働を行わせた

[労働基準法第37条違反]

労働者4名に対し、4ヶ月間の時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金合計約37万円を支払わなかった

[労働基準法第39条違反]

労働者6名に、年5日以上の年次有給休暇を取得させなかった

[労働基準法第75条違反]

業務上負傷した労働者に、労災保険を使用させず、健康保険を使用し、治療費を全額負担しなかった

[労働基準法第104条の2違反]

労働基準監督署長による報告命令に対し、虚偽の事実が記載された書類を提出し、虚偽の報告を行った

 

このように内容は多岐にわたっており、36協定の提出や割増賃金の支払いとった基本的な事項は当然として、その内容やそもそもの労働時間の管理まで細かく監督指導が行われるようになっています。

【3】労務管理で重要となるチェック項目

これらの公表事案の内容を踏まえ、チェック項目をまとめてみると以下のようになります。この機会に問題がないか確認しましょう。

□ 10月より改定される地域別の最低賃金を下回っていないか

□ 雇入れ時や契約更新の際に、労働条件通知書を交付しているか

□ 36協定の延長時間を超えて、時間外労働を行っていないか

□ 時間外労働の上限規制(時間)を遵守しているか

□ 従業員が時間外労働、休日労働、深夜労働を行った場合、これらに対する割増賃金を支払っているか

□ 年5日以上の年次有給休暇を取得させる必要がある従業員について、必ず取得させているか

□ 業務上負傷した従業員について、労災保険を使用しているか。健康保険を使用させていないか

働き方改革で年次有給休暇の取得義務化や、時間外労働の上限規制に係る法改正が施行され、より一層、労務管理の重要性が高まってきています。また、公表事案の事例からわかるように、様々な面において監督指導が行われています。労務管理上の課題の洗い出しや解決をしていく中で、お困りごとがございましたら、当事務所までご連絡ください。

■参考リンク
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取組」
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

お役立ちリンク先

神奈川労働局(各種法令・制度・手続き)→

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html/

 

東京労働局(各種法令・制度・手続き)→

http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp//

 

東京社会保険協会( 社会保険のしくみ(広報活動) )→

http://tosyakyo.or.jp/kouhou/shinpou/index.html/

 

労働問題判例集→

http://www.ne.jp/asahi/morioka/masato/roudou.htm#sa/

 

労働関連法令検索→

http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/index.html/

 

労災指定医療機関検索→

http://rousai-kensaku.mhlw.go.jp//

 

事業場における健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場作り(中災防)→

http://www.jisha.or.jp/health//

 

主要書式ダウンロード

 

労働基準法関係書式→

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/

 

労災保険法関係→

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/

 

労働保険法関係→

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html/

 

安全衛生法関係→

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html/

 

雇用保険法関係→

https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=initDisp/

 

社会保険関係書式(日本年金機構)→

https://www.nenkin.go.jp/shinsei/ichiran.html/

全国健康保険協会書式→

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/

 

キャリアアップ助成金書式→

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html/