今月(2019年9月)のトピックス&お役立ちリンク先

[1] 社会保険料 定時決定の結果の反映(2019年9月より))

7月に提出した算定基礎届に基づいて、9月からは新たに定時決定された標準報酬月額が適用されます。新しい標準報酬月額に基づいた保険料納付は、9月分(10月末納付分)からです。※従業員の給与から控除する社会保険料の変更タイミング(翌月控除、当月控除)については各社の取扱いをご確認ください。

[2] 地域別最低賃金の改定額の公示

10月1日以降に発効される2019年度の地域別最低賃金が順次公示されます。都道府県ごとに異なる改定額と発効年月日を確認したうえで、自社の従業員について最低賃金を下回る設定にならないかを確認しておきましょう。

[3] 日・中社会保障協定の発効

9月より日・中社会保障協定が発効されます。これまで日本・中国の両国から相手国に派遣された駐在員は両国で年金制度に加入する必要がありましたが、この協定の発効により、派遣期間が5年以内であれば、原則として派遣元国の年金制度のみに加入することになります。なお、この手続きに必要な「適用証明書」の交付申請は8月1日より開始される予定です。

■参考リンク:日本年金機構「日・中社会保障協定 申請書一覧(加入免除手続き)」
https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho

[4] 障害者雇用支援月間

9月は障害者雇用支援月間です。現在、民間企業における障害者の法定雇用率は2.2%となっていますが、2021年4月までに2.3%への引き上げが予定されています。そのため法定雇用率を満たしていない企業では、障害者雇用に向けて採用活動を強化していきましょう。

■参考リンク:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用支援月間」
http://www.jeed.or.jp/disability/activity/education/index.html

【旬の話題】平成30年度の精神障害による労災請求件数と労災認定基準

先日、厚生労働省より「平成30年度「過労死等の労災補償状況」」が公表されました。その内容には、平成30年度の精神障害による労災請求件数が盛り込まれており、メンタルヘルスが労務管理における大きな課題となっている現状で、注目すべきものとなっています。そこで今回の特集では、この集計結果をご紹介すると共に、その前提として理解しておきたい精神障害の労災認定基準についてとり上げます。

この集計では、支給決定事案において精神障害が発症した理由と考えられる具体的な出来事が分類されており、上位の項目は次のとおりとなっています(「特別な出来事」を除く)。
1.  仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった・・・69件
1.  (ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた・・・69件
3. 悲惨な事故や災害の体験、目撃をした・・・56件
4. 1ヶ月に80時間以上の時間外労働を行った・・・45件
5.  (重度の)病気やケガをした・・・36件

【精神障害の労災認定基準】
支給決定は事案ごとに個別に行われますが、精神障害の労災認定については次の3つの要件により判断されることになっています。
対象疾病を発病していること
対象疾病の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
業務以外の心理的負荷および個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと
それぞれ具体的な判断基準が設けられていますが、企業は労務管理上、特に2.について留意が必要となります。実際に心理的負荷が認められるかの確認は、発病前おおむね6ヶ月の間に起きた出来事が「業務による心理的負荷評価表」により「強」と評価されるかにより行われます。具体的な流れは以下になりますが、出来事が複数ある場合には全体の評価が行われ、その心理的負荷の強さが判断されます。
「特別な出来事」に該当する業務があったかを判断し、あった場合にはそれのみで心理的負荷の「強」とする。
「特別な出来事(※)」に該当する出来事がないときは、業務による出来事を36個の「具体的出来事」に当てはめ、あるいは近いかが判断された上で、さらに示されている具体例の内容に合致するときには、心理的負荷の「強」・「中」・「弱」の評価がされる。合致しないときには、「具体的出来事」ごとに示されている「心理的負荷の総合評価の視点」および「総合評価における共通事項」に基づき、具体例も参考としつつ個々の事案ごとに評価される。
※発病直前の1ヶ月におおむね160時間を超えるような時間外労働を行ったもの等
例えば、上記で1位となった項目の心理的負荷の評価をみてみると、以下のようになっています。
・「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」

・「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」

このような流れで労災認定の具体的な判断が行われ、心理的負荷の総合評価が「強」とされたものは、業務よる強い心理的負荷が認められたとして、業務による強い心理的負荷が認められと判断されます。
人材不足等の影響から、退職者の発生により急激に仕事量が増えたり、過去に経験したことのない仕事に従事し緊張を強いられる状況になると、従業員に精神的・身体的に過重な負荷がかかることがあります。そのため、上司としては定期的に面談するなどして状況を確認し、問題があれば早めに調整することが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「平成30年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05400.html
厚生労働省「精神障害の労災認定」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/120427.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

【お役立ちリンク先】

icon-external-link 神奈川労働局(各種法令・制度・手続き)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html

icon-external-link 東京労働局(各種法令・制度・手続き)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp

icon-external-link 東京社会保険協会( 社会保険のしくみ(広報活動) )
http://tosyakyo.or.jp/kouhou/shinpou/index.html

icon-external-link 労働問題判例集
http://www.ne.jp/asahi/morioka/masato/roudou.htm#sa

icon-external-link 労働関連法令検索
http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/index.html

icon-external-link 労災指定医療機関検索
http://rousai-kensaku.mhlw.go.jp

icon-external-link 事業場における健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場作り(中災防)
http://www.jisha.or.jp/health

主要書式ダウンロード

icon-external-link 労働基準法関係書式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01

icon-external-link 労災保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06

icon-external-link 労働保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

icon-external-link 安全衛生法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html

icon-external-link 雇用保険法関係
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=initDisp

icon-external-link 社会保険関係書式(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/ichiran.html

icon-external-link 全国健康保険協会書式
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2

icon-external-link キャリアアップ助成金書式
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.htm