労働社会保険手続き

労働保険の概要

労働保険とは、業務災害・通勤災害・失業等が起きた場合、国が労働者に保険給付(保険での支払い)を行うものです。
労働者災害補償保険法(労災保険)と雇用保険法(雇用保険)があり、法人・個人に関わり無く、従業員やアルバイト・パートを1人以上雇用する事業主は、労働者が希望するかどうかに関わらず保険加入を義務づけられている強制加入の保険です。
労災保険と雇用保険をまとめて、労働保険といいます。

対象事業所

原則1人でも労働者を雇い入れる事業所であれば、個人事業主または法人を問わずに強制適用事業所となりますので、労災保険と雇用保険に加入しなければなりません。
支店や工場などがある場合には、それぞれが事業所となり、事業所ごとに加入しなければなりません。
なお、労働者災害補償保険はすべての労働者、雇用保険については、事業所ごとの設置に当たり、加入要件を満たす働き方をする労働者を雇い入れていることが必要となります。

労働者災害補償保険

労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、障害が残った場合、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため事業主に代わって国が必要な保険給付を行うものです。
常用、日雇い、パート、アルバイト等雇用形態にかかわらず全ての労働者が対象になりますので、1人でも労働者を雇い入れている場合には労働者災害補償保険の適用を受ける事業所となります。
また、労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。

雇用保険

労働者が失業した場合、雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促進のために必要な給付を行います。
会社に常用使用される正社員・一般社員の場合は原則として無条件に雇用保険への加入が義務付けられています。
しかし、派遣社員、パートタイマー、アルバイトなどの非正規雇用労働者の場合は、雇用契約期間と労働時間において一定の基準を満たした場合のみ雇用保険に加入することになります(強制加入)。
具体的には以下の3つの要件を満たした場合です。

1. 一週間の所定労働時間が20時間以上。
2. 31日以上継続して雇用される見込みである。
3. 雇用保険の*適用事業所に雇用されている。

*雇用保険の適用事業所
会社や個人事業所の区別なく、労働者を1人でも雇用する事業所は原則として雇用保険の適用事業所となるため、この要件を満たさないケースは少ないのです。
例外として「労働者が常時5人未満の個人経営の農林水産事業(船員を雇用する事業は除く)」については雇用保険への加入が任意の「暫定任意適用事業」となります。
その他、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の推進を図ることを目的としています。

☆当事務所では、労働保険に関する下記手続き全般を御社に代行して実施いたします。
・労働保険の年度更新業務
・労働保険料概算・確定、石綿健康被害救済法一般拠出金申告

年度更新とは?

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年の3月31日まで(これを「保険年度」といいます。)の1年単位で計算します。
その額は、原則として保険関係が成立している事業に使用される、すべての労働者に支払う賃金総額にその事業に定められた保険料率を乗じて算出されます。
具体的には「保険年度」の当初に、概算で保険料を決めて納付しておき、保険年度末に賃金総額が確定したところで、清算するという方法をとっています。
したがって、前年度の概算またはそれ以前からすでに保険に加入している一般継続事業や一括有期事業の事業主は、新年度の概算の保険料を納付するため申告・納付と併せて前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付の手続きが必要となり、これが年度更新の手続きです。

この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行うことになっています。

労災保険、雇用保険の主な届出と提出先

書類 提出先
(1) 保険関係成立届
(保険関係が成立した日から10日以内)
所轄の労働基準監督署
(2) 概算保険料申告書
(保険関係が成立した日から50日以内)
※次のいずれか
所轄の労働基準監督署
所轄の都道府県労働局
日本銀行(代理店、歳入代理店(全国の銀行・信用金庫の本店又は支店、郵便局)でも可)
(3) 雇用保険適用事業所設置届
(設置の日から10日以内)
所轄の公共職業安定所
(4) 雇用保険被保険者資格取得届
(資格取得の事実があった日の翌月10日まで)
所轄の公共職業安定所
*(1)の手続を行った後又は同時に、(2)の手続を行います。
*(1)の手続を行った後に、(3)及び(4)の手続を行います。

労災保険に係る手続
(1) 保険関係成立届
(保険関係が成立した日から10日以内
所轄の労働基準監督署
(2) 概算保険料申告書
(保険関係が成立した日から50日以内)
※次のいずれか
所轄の労働基準監督署
所轄の都道府県労働局
日本銀行(代理店、歳入代理店(全国の銀行・信用金庫
の本店又は支店、郵便局)でも可)
(1)の手続を行った後又は同時に、(2)の手続を行います。

雇用保険に係る手続
(1) 保険関係成立届
(保険関係が成立した日から10日以内)
所轄の公共職業安定所
(2) 概算保険料申告書
(保険関係が成立した日から50日以内)
※次のいずれか
所轄の都道府県労働局
日本銀行(代理店、
歳入代理店(全国の銀行・信用金庫の本店又は支店、
郵便局)でも可)
(3) 雇用保険適用事業所設置届
(設置の日から10日以内)
所轄の公共職業安定所
(4) 雇用保険被保険者資格取得届
(資格取得の事実があった日の翌月10日まで)
所轄の公共職業安定所
(1)の手続を行った後又は同時に、(2)~(4)の手続を行います。

成立手続を怠っていた場合には

成立手続を行うよう指導を受けたにもかかわらず、自主的に成立手続を行わない事業主に対しては、行政庁の職権による成立手続及び労働保険料の認定決定が行われます。
その際は、遡って労働保険料を徴収するほか、併せて追徴金を徴収されることとなります。
また、事業主が故意又は重大な過失により労災保険に係る保険関係成立届を提出していない期間中に労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合は、遡って労働保険料を徴収(併せて追徴金を徴収)されるほかに、労災保険給付に要した費用の全部又は一部を徴収されることになります。

以下のような場合には当事務所にご連絡・ご相談を頂ければ幸いです!

・事務手続がわからない
・人手不足で事務処理をする余裕がない
・手続ができる人が見つからない
・関係官庁に出かけるのが面倒
・労働保険の年度更新が難しい
・事業主及び家族従事者も労災保険に加入したい

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