今月(2019年10月)のトピックス&お役立ちリンク先

[1] 各都道府県で地域別最低賃金額が変わります

今月より地域別最低賃金額が変わります。都道府県によって適用となる月日が異なっていますので、金額および発効年月日を確認しておきましょう。

■参考リンク:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

[2] 定時決定の反映と新しい保険料率による控除

1定時決定により、9月からは新たに改定された社会保険料が適用されますが、従業員からの社会保険料の控除を翌月に行っている場合、10月から控除することになります。

■参考リンク:日本年金機構「定時決定」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121017.html

 

【旬の話題】同一労働同一賃金を検討する際の4つのステップ

働き方改革関連法により、パートタイム・有期雇用労働法が改正され、2020年4月から、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差が禁止されます(中小企業は2021年4月から適用)。同一労働同一賃金と表現されますが、現実には企業内の正社員と非正規社員の間の均等・均衡処遇を目指す改正というのが本旨であり、その対応実務としては、正社員と非正規社員の現状の待遇を比較し、不合理な待遇差があるときには解消することが求められるものになります。労働者の待遇は各企業で決定するものであり、各企業での対応が必要になるため、ここでは厚生労働省が作成したパンフレット「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(業界共通編)」を参考に、同一労働同一賃金の対応の4つのステップを確認します。

1】第1段階 社員タイプ等の現状・『均等待遇』の対象となる労働者の確認。 

1.現状の社員タイプの整理
同一労働同一賃金への対応に当たっては、自社内での労働者の処遇の差異を比較することになるため、自社で雇用する労働者の社員タイプを整理し、パートタイム・有期雇用労働法の対象となる労働者(以下、「取組対象労働者」という)がいるかどうかを確認します。正社員のほかにも、契約社員、嘱託社員、準社員、パートタイマー、アルバイト、臨時社員等、様々な名称により社員タイプを区分している企業は多く、このような場合には、取組対象労働者がいるかを確認するために、「労働契約期間の定め」と「1週間の所定労働時間」の2つの観点により、図表1のように整理します。

 

その上で、不合理な待遇差があるかを検証するために、取組対象労働者と比較する労働者(以下、「比較対象労働者」といいます。)を確認します。
比較対象労働者は、パートタイム・有期雇用労働法では図表1の通常の労働者とされ、いわゆる「正規型」の労働者および期間の定めのない労働契約を締結しているフルタイム労働者のすべてが該当します。

2.「均等待遇」、「均衡待遇」の対象となる労働者の確認
1.に引き続き、取組対象労働者が図表2の均等待遇または均衡待遇のいずれの対象となるかを判断する必要があります。取組対象労働者がいずれに区分されるかは、「職務の内容(業務の内容及び責任の程度)」、「職務の内容・配置の変更の範囲」を通常の労働者と比較して決まります。図表2 に示すように職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲の両方が通常の労働者と同じ場合には均等待遇の対象、それ以外の場合には均衡待遇の対象になります。

【2】第2段階社員ごとの待遇の現状の整理と待遇の違いの確認

第3段階:待遇の違いが不合理か、否かを、点検・検討する。

 

1.均等待遇が求められる場合
取組対象労働者が均等待遇と整理された場合は、その取組対象労働者は、すべての待遇(手当、福利厚生、教育訓練、安全管理、賞与、基本給等)について、差別的取扱いが禁止され、比較対象労働者と同じ取扱いにすることが義務付けられます。異なる取扱いをしている場合には速やかに比較対象労働者と同じ取扱いにするための検討を行う必要があります。
2.均衡待遇が求められる場合(不合理な待遇差を判断する方法)
均衡待遇と整理された場合で、取組対象労働者の待遇と比較対象労働者の待遇に違いがある場合、その違いが不合理な待遇差である場合に問題となります。そのため、不合理な待遇差であるかを詳細に点検・検討する必要があります。
そのときには、個々の待遇ごとに、「職務の内容」、「職務の内容・配置の変更の範囲」、「その他の事情」の3つの考慮要素のうち、待遇の性質や目的に照らして適切と認められるものを考慮して判断するとされています。このうち「その他の事情」とは、個々の状況に合わせてその都度検討します。成果、能力、経験、合理的な労使の慣行、労使交渉の経緯はその他の事情として想定されています。

第4段階:是正策を検討する。

第3段階において、比較対象労働者と取組対象労働者との間の待遇差が不合理ではないとはいえない待遇については、是正を行うことが求められます。具体的には、以下の流れに沿って検討することが考えられます。
a. 是正が必要な待遇について、その待遇の性質や目的に応じた考慮要素に基づき、例えば取組対象労働者に支給していなかった手当を、今後は比較対象労働者との責任の違いに応じた支給額を支給するといった対応方針を定める。同時に、待遇改善に向けた原資の確保についても検討する。
b. a.で定めた対応方針について、労働組合または従業員の過半数を代表する従業員と話し合いを行い、合意を得る。
c. 合意内容に基づき、各種規程を改定し、労働者に周知する。
この待遇の是正に当たっては、是正を行うために検討しなければならない事項や必要な手続を事前に洗い出し、計画的に進めることが求められます。また、一定の期間が必要になりますので、早めの対応が求められます。

 

【お役立ちリンク先】

icon-external-link 神奈川労働局(各種法令・制度・手続き)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html

icon-external-link 東京労働局(各種法令・制度・手続き)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp

icon-external-link 東京社会保険協会( 社会保険のしくみ(広報活動) )
http://tosyakyo.or.jp/kouhou/shinpou/index.html

icon-external-link 労働問題判例集
http://www.ne.jp/asahi/morioka/masato/roudou.htm#sa

icon-external-link 労働関連法令検索
http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/index.html

icon-external-link 労災指定医療機関検索
http://rousai-kensaku.mhlw.go.jp

icon-external-link 事業場における健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場作り(中災防)
http://www.jisha.or.jp/health

主要書式ダウンロード

icon-external-link 労働基準法関係書式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01

icon-external-link 労災保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06

icon-external-link 労働保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

icon-external-link 安全衛生法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html

icon-external-link 雇用保険法関係
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=initDisp

icon-external-link 社会保険関係書式(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/ichiran.html

icon-external-link 全国健康保険協会書式
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2

icon-external-link キャリアアップ助成金書式
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.htm