今月(2018年11月)のトピックス&お役立ちリンク先
[1] 賞与決定までの準備
今月は、賞与の支給額を決めるための準備があります。業績や勤務成績などの情報を整理し、人事評価資料の配布などを行いましょう。
[2] 年末調整の申告書の手配
年末調整の時期となりました。記入漏れや添付資料の不備がないか早めにチェックを行い、資料を整えておきましょう。
■参考リンク:国税庁「平成30年分 年末調整のしかた」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2018/01.htm
【旬の話題1】骨太の方針2018で明記された継続雇用年齢の引上げと公務員の定年年齢引上げの動き
国はエイジレス社会の実現を目指し、今年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2018」(いわゆる「骨太の方針」)を閣議決定しました。この中で、65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けて環境整備を進めること、公務員の定年については段階的に65歳に引き上げる方向で検討するという方針を示しています。そして、今年8月には人事院総裁が内閣総理大臣および衆参両議院議長に対し、「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」を行い、公務員の定年制度については一定の準備期間を確保しつつ定年を段階的に65歳に引き上げること、新陳代謝を確保し組織活力を維持するため、当分の間、60歳の役職定年制を導入すること、60歳を超える職員の年間給与については60歳前の7割水準に設定するなどの申出が行われました。
【旬の話題2】65歳超の雇用促進を行う際に活用したい助成金
現時点では、65歳未満の定年年齢であっても、法令に抵触することはありませんが、国は企業が自主的に65歳以上への引き上げることを、助成金を支給すること等により支援しています。
(1)65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)の概要
定年の見直し等を検討している企業が活用できる助成金としては、65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)があります。
この助成金は、高年齢者が意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会を実現することを目的として設けられた制度で、65歳超継続雇用促進コースは、以下のいずれかの措置を労働協約または就業規則により導入した企業に対して助成金が支給されます。なお、措置を導入した際の規定の整備に経費がかかり、この措置の適用を受ける60歳以上の雇用保険の被保険者(以下、「被保険者」という)が1人以上いることという要件が設けられています。
(1)65歳以上への定年引上げ
(2)定年の定めの廃止
(3)希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
(2)助成金の支給額
助成金の支給額は下表1、2のとおりです。この60歳以上の被保険者とは、企業に1年以上継続して雇用されている60歳以上の被保険者のことで、短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除き、期間の定めのない労働契約を締結する従業員または定年後に継続雇用制度により引き続き雇用されている従業員をいいます。なお、定年引上げと継続雇用制度の導入を合わせて実施した場合、いずれか高い額のみの支給となります。
表1 65歳以上への定年引上げ・定年の定めの廃止の場合の支給額
60歳以上の被保険者数 | 65歳まで引上げ | 65歳以上に引上げ | 定年の定めの廃止 | ||
(5歳未満) | ( 5歳 ) | (5歳未満) | (5歳以上) | ||
1~2人 | 10万円 | 15万円 | 15万円 | 20万円 | 20万円 |
3~9人 | 25万円 | 100万円 | 20万円 | 120万円 | 120万円 |
10人以上 | 30万円 | 150万円 | 35万円 | 160万円 | 160万円 |
表2 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入の場合の支給額
60歳以上の被保険者数 | 66歳~69歳まで | 70歳以上 | ||
(4歳未満) | ( 4歳 ) | (5歳未満) | (5歳以上) | |
1~2人 | 5万円 | 10万円 | 10万円 | 15万円 |
3~9人 | 15万円 | 60万円 | 20万円 | 80万円 |
10人以上 | 20万円 | 80万円 | 25万円 | 100万円 |
この助成金の窓口は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構となっており、定年引上げ等の実施後、2ヶ月以内に支給申請を行うことになっています。活用にあたっては、これらの他、様々な支給要件があります。
骨太の方針2018の中で、高齢者は健康面や意欲、能力などの面で個人差が存在するという高齢者雇用の多様性を踏まえ、一律の処遇でなく、成果を重視する評価・報酬体系を構築するための取組みを行う企業に対して、その整備費用を補助するとしています。今後の動きも注視しながら、企業としては高年齢者をどのように活用していくか検討しましょう。
■参考リンク
厚生労働省 「平成29年「高年齢者の雇用状況」集計結果」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200.html
内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2018」
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/decision0615.html
厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
【お役立ちリンク先】
神奈川労働局(各種法令・制度・手続き)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html
東京労働局(各種法令・制度・手続き)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp
東京社会保険協会( 社会保険のしくみ(広報活動) )
http://tosyakyo.or.jp/kouhou/shinpou/index.html
労働問題判例集
http://www.ne.jp/asahi/morioka/masato/roudou.htm#sa
労働関連法令検索
http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/index.html
労災指定医療機関検索
http://rousai-kensaku.mhlw.go.jp
事業場における健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場作り(中災防)
http://www.jisha.or.jp/health
主要書式ダウンロード
労働基準法関係書式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01
労災保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06
労働保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html
安全衛生法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html
雇用保険法関係
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=initDisp
社会保険関係書式(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/ichiran.html
全国健康保険協会書式
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2
キャリアアップ助成金書式
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html