今月(2017年9月)のトピックス

厚生年金保険の保険料率の改定

今月分から厚生年金保険料率が変更になり、0.118%引き上げられて18.300%となります。変更後の保険料は平成29年9月分(10月納付分)から適用されますので、給与からの控除間違いのないように注意が必要です。なお、平成29年9月からは固定されることになっています。

■参考リンク:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20150515-01.html

社会保険料 定時決定結果の反映(平成29年9月より)

7月に提出した算定基礎届に基づいて、9月からは新たに定時決定された標準報酬月額を適用することになります。新しい標準報酬月額に基づいた保険料納付は、9月分(10月末納付分)からです。
※従業員の給与から控除する社会保険料の変更タイミング(翌月控除、当月控除)については各社の取扱いをご確認ください。

障害者雇用支援月間

9月は障害者雇用支援月間です。平成30年4月には障害者雇用促進法の改正に基づき、新たに精神障害者が障害者雇用率の算定に加わるとともに、民間企業の障害者雇用率が現行の2.0%から2.2%へと引き上げになります。また、将来的には2.3%への引き上げも決定されていますので、雇用する障害者数が障害者雇用率を満たしていない企業は、障害者雇用に向けて採用活動を強化していきましょう。

■参考リンク:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用支援月間(毎年9月)」
http://www.jeed.or.jp/disability/activity/education

育児・介護休業法は、2017年1月に改正施行されました。その改正では、介護休業の分割取得等の内容が盛り込まれました。そして2017年3月にも再度改正され、2017年10月に施行されることになっています。そこで今回は、10月に施行される改正内容を確認しておきましょう。

★2017年10月に施工される改正育児・介護休業法の内容

10月に施行される改正は以下の3点がポイントとなっています。

(1)最長2歳までの育児休業期間の延長(措置義務)
現在の育児・介護休業法で規定されている育児休業期間は、原則として子どもが1歳に達するまでとなっており、1歳以後に保育所に入れない等の一定の理由があるときに、子どもが1歳6ヶ月に達するまで延長することができることになっています。10月の改正では、1歳6ヶ月以後も保育所に入れない等の一定の理由があるときに、子どもが2歳に達するまで再度延長できることになりました。

(2)育児休業等制度の個別周知(努力義務)
以前から、政府は男性の育児休業取得促進に力を入れてきましたが、厚生労働省の調査では平成28年度の男性の育児休業取得率は3.16%に留まり、取得率に上昇は見られたものの、低迷している結果となりました。そこで、従業員またはその配偶者が妊娠・出産した場合に、その従業員に対し、個別に育児休業等に関する事項を周知する努力義務を課すことになりました。なお、これは、介護休業に関しても同様とされています。

(3)育児目的休暇の新設(努力義務)
育児目的休暇とは、小学校就学前の子どもを養育する従業員が、育児に関する目的で利用できる休暇のことを指しています。具体的な例としては以下のようなものが挙げられています。
・配偶者出産休暇
配偶者の出産に伴い取得することができる休暇
・多目的休暇
入園式、卒園式、両親学級、遠足等の行事参加を含めた育児にも使える休暇

この休暇については、無給でも問題なく、また、制度として設けることについて努力義務に留まっています。会社としては、男性の育児参加の支援のひとつとして、制度化することも検討できるでしょう。

妊娠、出産そして育児に関する労務管理は、近年、いわゆるマタニティ・ハラスメントに該当しないような配慮が必須となっています。慎重な言動が求められることになりますが、今回の法改正にあわせ、注目すべき内容が盛り込まれました。

1.で確認したように、育児休業は最長子どもが2歳に達するまで取得できるよう変更されます。育児休業期間が長期間にわたると、キャリア形成の面からは、従業員にとって好ましくない状況になることもあり、会社として従業員自身のキャリアを考えると、早期の職場復帰を促したくなるでしょう。こうした早期の職場復帰の働きかけについて、指針では、マタニティ・ハラスメントとは扱わないこととしています。従業員個人のキャリアも踏まえた育児支援が今後求められます。

育児休業期間が、最長子どもが2歳に達するまでとなることに伴い、雇用保険の育児休業給付も子どもが2歳まで支給対象期間が延長できるように変更となります。延長するときには、改めて市町村が発行した保育所等の入所保留通知などの確認書類の提出が求められます。なお、対象となる被保険者は、子どもが1歳6ヶ月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降(子どもの誕生日が平成28年3月31日以降)となる被保険者です。

介護休業の分割取得等が盛り込まれた前回の改正と比較をすると、今回の改正は小規模なものであり、育児介護休業規程の変更も限定的になることでしょう。ただし、女性活躍推進の流れから、長時間労働の防止、男性の育児参加についてはかなり注目を浴びており、人材採用面からも育児・介護への取組みを重視し、働きやすさの指標のひとつとして考える求職者が増えています。単純に法律に合わせた規定整備のみならず、実際に求められる制度を把握し、運用するためにはどのようなことが必要かを検討するきっかけにしたいものです。

■参考リンク
厚生労働省 「育児・介護休業法について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

お役立ちリンク先

icon-external-link 神奈川労働局(各種法令・制度・手続き)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html

icon-external-link 東京労働局(各種法令・制度・手続き)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp

icon-external-link 東京社会保険協会( 社会保険のしくみ(広報活動) )
http://tosyakyo.or.jp/kouhou/shinpou/index.html

icon-external-link 労働問題判例集
http://www.ne.jp/asahi/morioka/masato/roudou.htm#sa

icon-external-link 労働関連法令検索
http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/index.html

icon-external-link 労災指定医療機関検索
http://rousai-kensaku.mhlw.go.jp

icon-external-link 事業場における健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場作り(中災防)
http://www.jisha.or.jp/health

主要書式ダウンロード

icon-external-link 労働基準法関係書式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01

icon-external-link 労災保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06

icon-external-link 労働保険法関係
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

icon-external-link 安全衛生法関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html

icon-external-link 雇用保険法関係
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=initDisp

icon-external-link 社会保険関係書式(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/ichiran.html

icon-external-link 全国健康保険協会書式
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2

icon-external-link キャリアアップ助成金書式
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/download-list.html